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Text File  |  2000-02-01  |  6KB  |  254 lines

  1. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  2.  
  3.     X680x0 単体で WWW クライアントとサーバーを動作させる方法
  4.  
  5. ────────────────────────────────────
  6.  
  7.  
  8.  
  9. ▼ この文章は
  10.  
  11.  
  12.   X680x0 用に開発した WWW クライアントとサーバーを X680x0 単体(本体のみ、
  13.  
  14. 増設ハードなし)で動作させる方法を解説した文章です。WebXpression や 
  15.  
  16. RoboGet はこの方法で開発されています。
  17.  
  18.  
  19.   HTTP はクライアント/サーバー形式のプロトコルであるため、単純に考える
  20.  
  21. とクライアントを動かすマシンとサーバーを動かすマシンの2台が必要となりま
  22.  
  23. す。これがマルチタスクOSである UNIX であれば裏でサーバーを動かし、表で
  24.  
  25. クライアントを動かすことにより1台のマシンで開発が行えるのですが、シング
  26.  
  27. ルタスクOSである Human68K ではクライアント(WebXpression, RoboGet)と
  28.  
  29. サーバー(PersonalWS)と同時に動かすことは…実はできるのです。以下にこの
  30.  
  31. 方法を解説します。
  32.  
  33.  
  34.  
  35. ▼ 使用する環境
  36.  
  37.  
  38.   通常、X680x0 で WWW (HTTP)クライアントを動作させる方法には以下の3通り
  39.  
  40. があります。
  41.  
  42.  
  43. 1)X680x0 + Neptune-X + LAN
  44.  
  45.  X680x0 に NE-2000 互換のネットワークカードを接続する同人ハードウェア
  46.  
  47. Neptune-X を接続する方法です。LAN で接続されたマシン上でサーバーを動かし、
  48.  
  49. そこに対してクライアントである X680x0 が接続するという形になります。
  50.  
  51.   欠点?は Neptune-X と LAN 環境、サーバー用マシンが別途必要になるという
  52.  
  53. 事です。
  54.  
  55.  
  56. 2)X680x0 + モデム
  57.  
  58.  WWW 上のサーバーに接続する方法です。ダイヤルアップでサーバーに接続して
  59.  
  60. lynx や WebXpression の代わりに自作のクライアントを接続します。
  61.  
  62.   一番単純な方法ですが、欠点はクライアントに問題があった場合サーバーをハ
  63.  
  64. ングアップさせる可能性がある(まあそんな弱いサーバーは滅多に無いと思いま
  65.  
  66. すが)、電話代がかかるということです。
  67.  
  68.  
  69. 3)X680x0 単体
  70.  
  71.   X680x0 本体のみ、増設ハードなしで開発を行います。でもメモリは4MBく
  72.  
  73. らいあると嬉しいですね(2MBでもなんとかなるかな?)。欠点は動作が相当
  74.  
  75. 重くなるということですが、開発用のテスト環境と思えば悪くないでしょう。
  76.  
  77.   この環境でハードディスク上に HTML ファイルを置いて、 PersonalWS.x を常
  78.  
  79. 駐させます。次にクライアントを実行し、HTTP で PersonalWS.x にファイルを
  80.  
  81. 要求すると PersonalWS.x はファイルを送信するので、これを受信して処理を行
  82.  
  83. う、という流れになります。具体的な方法は以下の通りです。
  84.  
  85.  
  86.  
  87. ▼ 実行方法
  88.  
  89.  
  90. 1)TCP/IP ドライバのインストール
  91.  
  92.   X680x0 を TCP/IP が使える状態にします(lynx や WebXpression でネットワー
  93.  
  94. ク上のファイルが閲覧できるようになればOKです)。激光電脳倶楽部5号を利
  95.  
  96. 用すると比較的簡単に TCP/IP が使えるようになるでしょう。
  97.  
  98.   この状態でダイヤルを掛ける必要はありません。モデムを外してしまっても構
  99.  
  100. いません(つないだままでも構いません)。
  101.  
  102.  
  103. 2)必要なファイルの確認(TCP/IP 関連)
  104.  
  105.  次に以下のファイルを確認します。
  106.  
  107. ・/etc/networks
  108.  
  109.  ファイル networks に以下の行があることを確認します。
  110. ---- networks ----
  111. 127        loopback
  112. ------------------
  113.  
  114.   TCPPACKA.LZH で配布されていた networks ファイルには上記の行があります
  115.  
  116. ので、書き替えていなければ問題ありません。
  117.  
  118.   この行はネットワークアドレス 127 を loopback という名前(ネットワーク
  119.  
  120. 名)で参照するということを宣言しています。ループバックとは送信した内容を
  121.  
  122. 実際にはネットワークに流さず自分自身で受信することで、ネットワークのテス
  123.  
  124. トなどでよく使われます。
  125.  
  126.  
  127. ・/etc/hosts
  128.  
  129.  ファイル hosts に以下の行があることを確認します。
  130. ---- networks ----
  131. 127.0.0.1    localhost        localhost
  132. ------------------
  133.  
  134.   TCPPACKA.LZH で配布されていた hosts ファイルには上記の行がありますので、
  135.  
  136. 書き替えていなければ問題ありません。
  137.  
  138.   この行は IP アドレス 127.0.0.1 のマシンを localhost という名前(ホスト
  139.  
  140. 名)で参照すると言うことを宣言しています。localhost はマシン自身、つまり
  141.  
  142. 自分自身を指すホスト名です。
  143.  
  144.   networks と hosts の設定から、localhost に対する接続は自分自身にループ
  145.  
  146. バックで接続することを意味するようになります。
  147.  
  148.  
  149. 3)必要なファイルの確認(HTML 関連)
  150.  
  151.   適当な HTML ファイルを用意し、ハードディスクの適当なディレクトリに入れ
  152.  
  153. ておきます。ここでは例として、以下のファイル index.htm がディレクトリ
  154.  
  155. C:\html\ にあるものとして解説します。
  156.  
  157. ---- index.htm ----
  158. <HTML>
  159. <HEAD><TITLE>テストページ</TITLE></HEAD>
  160. <BODY>
  161. テスト用 HTML です。<BR>
  162. </BODY>
  163. </HTML>
  164. -------------------
  165.  
  166. ---- DIR C:\html ----
  167.  ボリュームがありません C:\html
  168.      1 ファイル      2215K Byte 使用中     22297K Byte 使用可能
  169.  ファイル使用量         1K Byte 使用
  170. index              htm         96  00-02-01  12:00:00
  171. ---------------------
  172.  
  173.  
  174. 4)xip と PersonalWS の常駐
  175.  
  176.   ここまでできたらいよいよ TCP/IP ドライバ xip を常駐させます。xip はな
  177.  
  178. るべく最新のバージョンを使用して下さい。以下のバッチファイルをご覧下さい。
  179.  
  180. ---- keepws.bat ----
  181. xip
  182. ifconfig lp0 up
  183. PersonalWS C:\html\
  184. --------------------
  185.  
  186.   2行目は ifconfig による設定で、lp0 はループバック、up は有効にすると
  187.  
  188. いう事で、これにより「ループバックを有効にする」ということを宣言していま
  189.  
  190. す。
  191.  
  192.   余談ながら lp0 というのはネットワークインターフェース名と呼ばれるもの
  193.  
  194. で、例えば Neptune-X のようなイーサネットカードの場合 en0 となり、これを
  195.  
  196. 有効にする場合は "ifconfig en0 up" となります(実際にはもう少し設定が必
  197.  
  198. 要なのですが、ここでは割愛します)。
  199.  
  200.   3行目は PersonalWS.x の常駐です。ディレクトリ名の最後に '\' を忘れず
  201.  
  202. に付けるようにして下さい。
  203.  
  204.  
  205. 5)HTTP クライアントの実行
  206.  
  207.   以上で X680x0 上に HTTP サーバーが常駐しました。クライアントからサーバー
  208.  
  209. 上のファイル(と言っても自分自身)を受信してみましょう。
  210.  
  211.     lynx http://localhost/index.htm
  212.     WebXpression http://localhost/index.htm
  213.  
  214.   とすると HTTP で取得したファイルを表示します。
  215.  
  216.     lynx C:/html/index.htm
  217.     WebXpression C:/html/index.htm
  218.  
  219.   との違いを確認してみて下さい。こちらは PersonalWS.x が動作していない
  220.  
  221. (つまりネットワークを介さない)単なるファイルの読み込みです。
  222.  
  223.  
  224. 6)xip と PersonalWS の常駐解除
  225.  
  226.  
  227.  以下のバッチファイルをご覧下さい。
  228.  
  229. ---- releasews.bat ----
  230. PersonalWS -r
  231. ifconfig lp0 down
  232. xip -r
  233. -----------------------
  234.  
  235.   2行目は先程の逆でループバック lp0 を down、つまり無効にするという事で
  236.  
  237. す。これを行ってから xip を常駐解除して下さい。
  238.  
  239.  
  240.  
  241. ▼ 最後に
  242.  
  243.  
  244.   このように X680x0 単体でも WWW クライアントは開発できるのです。X680x0
  245.  
  246. にももっと WWW クライアントが増えるといいですね。
  247.  
  248.  
  249.  
  250. (EOF)
  251.